ハンドボールは、攻撃の華やかさに目を奪われがちですが、試合を勝利に導くためには強固な「守り」、すなわちディフェンスが欠かせません。この守備の核となるのが、選手たちの配置や連携によって構成される「ディフェンスシステム」です。チームの戦略や相手チームの攻撃スタイルに合わせて、最適なフォーメーションを選択することが、試合の流れを大きく左右します。この記事では、最も基本的な「6-0」から、より攻撃的な「5-1」、「4-2」、「3-3」まで、主要なディフェンスシステムの特徴と狙いをわかりやすく解説します。
6-0ディフェンス
- 特徴: 6人の選手全員が6mライン沿いに横一列に並ぶ、最も基本的なシステムです。
- 狙い: ゴール前を固め、相手のカットインやポストプレーを防ぐことに特化しています。守備の連携が取りやすく、初心者にも適しています。
- 弱点: ロングシュートに対するプレッシャーがかけにくいです。

5-1ディフェンス
- 特徴: 5人が6mラインを守り、1人が前方に飛び出して相手のパス回しを妨害するシステムです。前に出る選手を「トップ」と呼びます。
- 狙い: 相手のバックプレーヤーにプレッシャーをかけ、攻撃の起点となるパスを狙ってインターセプトを誘います。
- 弱点: トップの裏のスペースが空きやすく、相手にうまく崩されると失点につながりやすいです。

4-2ディフェンス
- 特徴: 4人が6mラインを守り、2人が前方に飛び出して守るシステムです。
- 狙い: 相手のバックプレーヤー2人に対して積極的にプレッシャーをかけ、パスコースを限定したり、ボールを奪ったりすることを狙います。
- 弱点: 守備の陣形が不安定になりやすく、チーム全体の連携と個々の高い守備能力が求められます。

3-3ディフェンス
- 特徴: 3人が6mライン、3人が前線で守る、非常に攻撃的なシステムです。
- 狙い: 相手のパス回しや個人プレーを強力に妨害し、積極的にボールを奪うことを目指します。
- 弱点: 守備の隙が非常に大きいため、非常にリスクが高い戦術です。

まとめ
この記事では、ハンドボールにおける主要なディフェンスシステム、すなわち6-0、5-1、4-2、そして3-3について解説しました。それぞれのシステムには明確な特徴と狙いがあり、チームの強みや相手の攻撃スタイルに応じて使い分けることが重要です。
- 6-0:ゴール前を固める最も堅実な守備
- 5-1:相手のパス回しを乱す攻撃的なシステム
- 4-2:バックプレーヤーへの圧力を強める戦術
- 3-3:ハイリスク・ハイリターンな超攻撃型ディフェンス
どのシステムが優れている、という絶対的な答えはありません。大切なのは、それぞれのシステムを深く理解し、チーム全体で連携して機能させることです。状況に応じて柔軟に守備を変え、相手を上回るディフェンスを構築することが、勝利への鍵となるでしょう。
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